こんにちは。2児のパパで、アラフォー育休取得者の「たろはな」です。
今回は4歳の長男が始めた空手の稽古が、想定通り大変でした、という話です。
前回のお話はこちら
第一回目の練習から、嵐が吹き荒れました。
まだ道着を持っていない長男は、Tシャツ短パンで列の最後尾に並びました。
同じ流派の茶帯をもっている私は、同じ練習生として前列に並びました。
つまり私と長男は、「親子」でありながら、「先輩と後輩」でもあるというわけです。
なんか、この設定だけですと、格闘技の親子鷹のように見えますが、現実はそんな美しいものではありません。
本音を言うと、一回目は横について、手とり足取りサポートしたかったのです。なんせうちのエキセントリック長男は、そんじょそこらの三歳児とは一味違うからです。
異変が起こったのは始まって3分でした。(早い)
準備体操の段階で、何をやっていいか分からない長男は「やだ」「やらない」と、補助についてくれた指導員に逆らい始めたのです。
彼としてはパンチやキックの練習をするつもりだったのでしょう。しかし、柔軟体操や補強運動が続いたため、「なんでこんなことやるんだ」とイライラし始めたのです。
しかも彼にとっては初めての動作が、まあまあの速さで展開されていくのです。ついていくことができず、次第にプチパニックを起こしていたのです。
その後、指導員の「たろくん、立って」「寝ちゃだめ」という声が3分に一回聞こえてきます。
いや、お前、寝とるんか…
私は前列にいるため、後ろで吹き荒れている嵐を、背中で感じ取ることしかできません。
道場には先生の指導の声より数段大きな、彼のわめき声が響き渡ります。
そして開始から30分、見かねた先生から「お父さん、やっぱりお願いします。」と、補助に着くように言われました。
そりゃそうなりますわね…。
「取り敢えず立てや」と、活を入れたい衝動を抑え、「頑張ってるね」とだけ声をかけ、練習再開。
その後は手とり足取りで、何とか最後まで立っていることができました。
正直、彼にとっては想定していなかった苦いデビューだったと思います。
パパみたいにかっこよくパンチやキックの稽古がしたかったでしょう。
しかし、現実は「できない」「分からない」の連続。
悔しかったでしょう。
でもそんなことは当たり前です。
できないから練習する。
分からないから先生の言うことに耳を傾ける。
歯を食いしばって努力することを、4歳を迎える彼には経験してほしい。親としてはそう願っています。
ただ、「何も良いことがなかった」では、4歳の子には少々酷です。
「できない」ことは本人が一番わかっているはずです。親の仕事は、「できたこと」に気づかせ、次への希望をもたせることです。
今日彼ができたこと、それは…。
初めて会う道場の人たちに元気な声で「押忍!」と挨拶ができたことです。
「礼に始まり、礼に終わる」
武道の最も大切な心構えを、彼はしっかりともって練習に臨んだのです。
それをめちゃくちゃに褒めました。
「素晴らしい挨拶だった!挨拶ができる子は、必ず強くなる!」
帰りの車の中、ひたすらそれを伝え続けました。
初めての練習に疲れ切った彼は、気がついたら寝ていました。
よく頑張った。
何年かたって、「最初は大変だったねー」と、笑い話になっていればそれで良し。
彼の最強への道は、まだ始まったばかりです。
(続く)
(続き)