子供が生まれるということは、その人の家庭にとっては一大事。気持ちの面では、全面的に祝福し、応援してあげたいですよね。
しかし職場という枠組の中では、事情が少し複雑になってきます。特に「管理職」という立場からすると、メンバーが一時的に離脱するというのは、本音では、男女関わらず痛いはずです。
さらに企業によっては、上層部から「男性育休の推進を!」と圧力がかかりつつ、現場は戦力ダウンとの板挟みに苦しんでいるかもしれません。
そこで今回は、私「たろはな」が育休を取得しようとしたとき、上司の対応が神がかっていた件について、可能な範囲で公開します。
これにより、私の上司へのリスペクトは爆上がり。職場への貢献意欲も体感3倍ぐらいに跳ね上がりました。
男性育休の波に悩まれる管理職の皆様のお役に立てば幸いです。
私の上司の神対応の前に、絶対やってはいけないNG対応です。
それは、「育休を渋る」、「認めない」です。
育休は労働者の権利です。管理職は取得時期の調整の相談はできても、拒否する権利はありません。ここを間違えると、最悪労働問題に発展します。私だったら、異動か転職を考えます。
そこまでいかなくても、部下からの信頼は地に落ちます。
「育休を取らずに働いてくれたら助かる」、というのは管理職としての本音かと思いますが、どうかそれは表に出さず、人生の一大事に直面している部下を温かく支えてあげてください。
それでは、私「たろはな」が、妻の妊娠と、育休取得の意向を報告したときの管理職の神対応を公開します。
(以下、た‥たろはな か…管理職)
た「あの、妻が妊娠しまして…」
か「本当に!良かったね〜!」
た「つきましては、以前から希望していた育休をお願いしたいのですが…」
か「そうだよね〜、いや〜、たろはなさんが抜けるのは正直痛いな〜。でもま、そこはこちらの仕事だから、任せて!で、予定日は?」
た「はい、○月✕日です。」
か「そうか、じゃあ、あのプロジェクトが終わったあたりから、育休に向けて引き継ぎしやすい体制を組もうか」
た「ありがとうございます。」
か「いやでも本当良かった!奥さんをお大事にね!」
た「はい!」
以上。
どうですか?完璧じゃないですか?
第一声が「おめでとう」。
次に「君が抜けるのは痛いけど」と、サラッと評価してくれてることを示し、「人事は任せろ」と、こちらに余計な負担はさせないことを宣言。
そして締めに「奥さんお大事にね」と気遣いも忘れない。
何これ、マニュアルでもあるの?
いや、例えあったとしても、こんなに完璧に遂行できる?
私はこれを聞いて、上司へのリスペクトが爆上がりし、「戻って来たら必ず恩返しをする」と誓いました。
それだけでなく、生まれるまでの数か月間、余裕のあるときは、自分の仕事でないことも進んで引き受けました。「育休は権利だ」と、ふんぞり返るのではなく、「お世話になる職場に少しでも貢献して、応援されて育休に入り」たいと考えたからです。
どうでしょうか。「戦力ダウン」という目の前の危機を甘んじて受け入れ、さらにモチベーションアップに繋げた、素晴らしいリスクマネジメントだと思います。
話は大きくなりますが、私は男性育休に対する、このような組織の風土が、日本のどの職場にも広がってほしいと思っています。
もう少し言うと、その余裕がない管理職、職場は、早い段階から若い世代に見切りをつけられ、結果的に淘汰さらていくとも思っています。
アラフォーの私ですらそう考えるのです「拒否されたら異動か転職」と構えていたのですから、Z世代の若者達は言わずもがなでしょう。人生の一大事を応援してもらえない場所で、今後5年、10年、働いていこうと思いますか?
今後、男性育休の波はさらに拡大していきます。なんせ国が法制度を変えて後押しを始めたのですから。
ちょうど今日、「茨城県の龍ケ崎市役所で男性育休の取得率100%」という記事を目にしました。
これを聞くと皆さん、何となく「いい職場なんだろうな」と思いませんか?公務員志望の男性は、ちょっと調べてみようと思うと思いませんか?
今後少ない働き手を奪い合うにあたり、育休取得率や、職場の風土は大きな武器になってくるはずです。
目の前の男性職員が育休を取るのは確かに痛い。
でもその危機に際して、あえて「如何に気持ちよく育休に入らせるか」とポジティブに対応することが、これからの管理職の仕事であり、中長期的な視点から、職場や業界を良くしていくために必要なことではないでしょうか。
少なくとも今の私は、上司と職場、業界に恩返ししたいと思っていますし、自分が管理職としてのキャリアを迎えたら、今回の上司の対応をそのままテンプレとして、部下にもしてあげたいと思っています。
以上、少し大きな話に広がってしまいましたが、私の上司の神対応のお話でした。
今、男性育休の波を目の前にしている管理職の皆様に、少しでも参考になれば幸いです。