先日岸田総理から、賃金上昇のための「産休育休中の学び直し(リスキリング)」が提案されました。
記事をよく読めば、意図そのものは理解できます。
しかし、丁寧に説明しないと、「産休育休の意図を軽んじている!」とも受け取られかねません。
どういうことかと言うと、「少子化対策」と混同されてしまわないか、ということです。
少子化対策と混同されると、これはもう反発しかないと思います。
「嵐のような育児期間にまだ働けというのか!子供を産むなということか!」
と、なります。
そりゃそうです。男性の自分ですら、0歳+3歳の育児でいっぱいいっぱいなのに、産前産後の体長回復、授乳など、身体的な負担の大きい女性にそこまでの余裕はないのが通常です。
僅かに生じる自分時間、趣味や息抜きに使った方が有意義だ、と直感的に感じるのが自然です。
しかし、この政策の本来の意味「賃金上昇」の面から見ると少し変わってきます。
前述の育児中の息抜きですが、「仕事につながることをしていた方が良い」という方もいらっしゃいます。
例えば、私の職場の先輩ママさんは「私、育児だけだともたなそうだから、育休2ヶ月で終わらせて復帰しちゃったー」と言っていました。
つまり「育児100%だと煮詰まるので、社会と繋がりをもっていたほうが精神衛生上良い」という方たちです。
その方たちにとっては、職場復帰はまだ難しいけど、スキルアップに繋がる学び直しならできそうと考え、制度的にバックアップされることのメリットはかなりあると思います。
考えてみれば、育休か仕事復帰かの2択のみというのはかなり極端です。(一応制度上、育休中もパートタイムてまで働くこともできるようですが)
出産、育児、働き方について多様な選択肢ができるのは悪いことではありません。
ただ、冒頭に述べた通り、少子化対策と混同されてしまわないように、丁寧な説明が必用だと思います。
あくまで「賃金上昇」が第一目的の政策であることを強調し、日本の働き方に多様性をもたらしてほしいと思います。
余談ですが、自分は育休中に「お肉検定」という、合格すると「お肉博士」を名乗れる資格取得を考えていました。
しかし、テキスト代と受検料を迷っているうちに今年度の受検期間が終わってしまいそうです。
こういう人向けに補助が出るようになれば、個人のスキルアップ、賃金上昇、引いては国のGDP上昇に繋がっていくと思います。
まあ、お肉博士はGDP上昇にはあまり貢献しなさそうですし、国から補助が出ることもないでしょうが。