子育ては、経験してみて分かることがたくさんある。
自分は昔から漫然と、「子供ができるなら男の子」で、月並みだが「キャッチボールがしたい」と思っていた。
しかしいざ経験してみると、まず言葉のキャッチボールが成立するまでに物凄い労力が必要なのだと分かる。
夢の実現はまだまだ先だ。
そんな中、先日妻に「将来娘とやってみたいことってある?」と聞かれた。
少し考えて気がついた。
「女の子とやりたいこと」を考えたことがなかった。
自分が男兄弟の中で育ってきたこともあり、男の子の子育てしかイメージしたことがなかったのだ。
例えるならストレートを打ち返す練習はバッチリしてきたが、突然チェンジアップが来たので手が出なかった感じだ。
「娘とやってみたいこと」…なんだろう。
おままごと…?
積極的にやりたいとは思わない。ブロックや積み木で創造していく遊びのほうが好きだ。
買い物…?
一人で行きたい。人に合わせず、自分のペースでじっくり選びたい。
カフェでおしゃべり…?
これもダメだ。自分はどんな飲み物でも、5分で飲み干す。間がもたない。
考えてみると、子供とやりたいこと=自分も楽しいこと、つまり男の子とやりたいことになっていたのだ。
女の子と過ごす場合、自分が楽しいというよりは「楽しませる」ために、男の子よりも努力、労力が必要な気がする。
しかし一つだけ、「娘とやってみたいこと」というより、「女の子の親としてやってみたいこと」がある。
それは、「娘の連れてきた結婚相手との腕ずもう」だ。
大事な大事な娘を預けるんだ。それなりの体力が必要だ。
そう、筋肉は嘘をつかない。
その肉体を手に入れるための努力、労力を惜しまない、自分に厳しい男が娘の結婚相手あってほしい。
そこで重要なことに気付いた。
娘が相手を連れてくるころ、自分は還暦を迎えている可能性が高いということ。
そして相手は、体力が人生の中でピークを迎えている男性が想定されるということ。
「お父さんみたいな人がいい」と、同年代の相手を連れてきたり、最近話題にあがるLGBTの視点から、相手が女性だったりという可能性がないとは言えないが、恐らく2、30代の男性となるだろう。
その時自分が腰が曲がって、歩くのもやっとでは話にならない。
今こそ筋トレが必要だ。
20年後、娘の父親としてやってみたい「結婚相手との腕ずもう」を実現するために。
そして激戦の末破れ、涙を堪えながら「娘をよろしく」と伝えるあのやり取りを成立させるために。
やはり自分は間違ってなかった。
ぎっくり腰対策に再開した筋トレが、20年後の未来にまで繋がっているとは。
これも立派な育休の過ごし方だと胸を、いや、大胸筋を、張って言えるだろう。
ちなみに、娘が連れてくる相手は、娘のことを大事にしてくれれば、本当はそれだけでOKと考えています。